アメリカ穀物協会では、ミシュラン一ツ星レストラン「オーベルジュ・ラ・フニエール」で「INSTITUT CUISINE LIBRE(自由な料理研究所)」を主宰するナディア・サミュさんの来日に伴うセミナー、イベントに協賛いたしました。
5月23日(月)、24日(火)には、レストラン「8ablish(エイタブリッシュ)」(東京・青山)にて、グルテンフリーのスペシャルディナー「CUISINE LIBRE(自由な料理)」が開催されました。今回は、5月23日(月)に開催されたスペシャルディナーの様子をソルガムきびのメニューを中心にレポートいたします。
グルテンフリーの “CUISINE LIBRE(自由な料理)”
グルテンフリーのスペシャルディナーは、ナディアさんが提唱する「Cuisine libre, Cuisine pour tous= 自由な料理、すべての人に食べる喜びを」の考え方を、レストラン「8ablish(エイタブリッシュ)」とのコラボレーションという形で体現。前菜、スープ、サラダ、メインディッシュ2皿、デザート、ナディアレシピのグルテンフリーブレッドを含めたフルコースが提供されました。
ソルガムきびと葉野菜のサラダ フランボワーズのドレッシング
ソルガムきび、米粉、ひよこ豆のフォカッチャ エスカルゴバター添え
サラダの上に載っているソルガムきび粒は、赤米と一緒に炊きこんでいるので、ピンクに色づいています。秋田産のフランボワーズのドレッシングと和えると、さっぱりとした味わいで、初夏にふさわしいサラダです。ソルガムきび粒は味にクセがないので、フランボワーズの甘酸っぱい風味を感じながら、プチプチとした食感を味わえます。
フォカッチャは、南フランスでよく食べられるパン。オリーブオイルと、にんにくのコンフィ(ピューレ)を練り込んでいるので、味がしっかりしています。フォカッチャの生地は、ソルガムきびの他、米粉、ひよこ豆粉、キヌア粉を使っています。適度にふわりとしながらも、しっとりとした味わい。ナチュラルな素材の持つ甘みを感じられるフォカッチャです。
横に添えられたエスカルゴバター(乳・卵不使用バター)は、ココナッツオイルがベース。フランス式に、エスカルゴバターをたっぷりとつけていただくと、フォカッチャの風味がより濃厚になります。
キヌアとソルガムきびのタリアテッレ ペストーソースと初夏の野菜
グルテンフリーのパスタです。パスタ生地の作り方はクラシックな方法ですが、今回は乳・卵不使用料理のため卵を使いません。その代わりに「サイリウムハスク(オオバコの外皮を粉にしたもの)」を使っています。サイリウムハスクが卵に含まれるアルギニン(アミノ酸の一種)の代わりとなり、パスタの「つなぎ」の役割となります。パスタ生地で重要なのは、どんどん薄くしても、引きや伸びのある柔軟性。そのため、少量のサイリウムハスクの粉を使っています。パスタ生地には、ソルガムきび粉も入っています。モチモチと弾力のある口当たりは、何も知らなければ、小麦粉で作られたパスタとの差がわからない自然な食感です。
パスタの下に敷いてあるペストー(ジェノヴァソース)は、オリーブオイルに地元で採れるハーブ、そしてほんの少しニンニクを効かせています。さらに、普段は、パルメザンチーズを加えますが、今回は乳・卵不使用料理のため、ナディアさんがフランスから持参した米のイーストを使っています。米のイーストは、フレーク状のかけらになっていて、口に入れると本物のパルメザンのような味わいです。
テンペのクルスティアン、ドライトマトのベニエ、
ソルガムきびのタブレ、チミチュリソース
メインディッシュは、フリッターの衣やソース、トッピングなど全てにソルガムきびが使われている「ソルガムきびづくし」の一皿です。
お皿の左は、テンペ(蒸した大豆をテンペ菌で発酵させたもの)を、カリカリにソテーしたもの。その下のソースは、ソルガムきびとキヌアの粉で作ったベシャメルソース。非常にクリーミーで濃厚な味わいのソースなので、テンペやフリッターと一緒に食べると満足感を得られます。右の揚げ物は、ドライトマトのフリッター。フリッターの衣は、ソルガムきび粉、米粉、ひよこ豆を使って揚げています。ソルガムきび粉が使われているので、衣は冷めてもべたつかずにカリっとしています。トッピングに使われているのが、ソルガムきび粒とキヌアのタブレ風サラダ。ソルガムきび粒は、味が絡みやすく、さらに粒の食感がアクセントになるので、タブレにはピッタリの食材です。
その他のメニュー
ナディアさんからのメッセージ
ナディア
私は、南プロヴァンスのルールマランという小さな村に住んでいます。42年前から母のレンヌ・サミュが「ラ・フニエール」というレストランを営んでいます。料理を教えてくれたのも母でした。というのも、私は、グルテン以外にもアレルギーがあるので、料理学校へ行けなかったからです。「ラ・フニエール」は、フランスでミシュランの星付きレストランとしては初めて「グルテンフリー」をメニューに展開しています。店で出すものは全て「グルテンフリー」です。厨房でも小麦粉が混入しないよう、細心の注意を払った環境を作っています。
「ラ・フニエール」は、広大な敷地の中にあり、自家菜園もあります。こちらの菜園では、循環農法を採用しています。オーヴェルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)なので、客室が16室あります。この場所に、昨年、私が「INSTITUT CUISINE LIBRE(自由な料理研究所)」を立ち上げました。ここでは、プロの料理人、パン職人、ケーキ職人等の研修を行っています。それ以外に、一般の方も受講できるグルテンフリーのワークショップを行っています。ぜひ、日本のみなさんもご参加ください!
8ablishのスタッフのみなさん、そして、私たちの料理に興味を持ってご参加くださったみなさん、本日はどうもありがとうございました。
ソルガムきび製品 店頭販売のお知らせ
レストラン「8ablish(エイタブリッシュ)」では、米国産ホワイトソルガムきび粉を使ったクッキーやチップス、グラノーラ等、グルテンフリー製品の店頭販売を行っています。グルテンフリーのヘルシー・スイーツを、手軽にお試しいただけます。
Restaurant 8ablish (レストラン エイタブリッシュ)
東京都港区南青山5-10-17 2F