ソルガムきびの起源と歴史
アフリカ原産の「ソルガムきび」は、高温や乾燥に強く、BC8000年頃から栽培化され始め、インド、中国を経てアジア各地、米国中南部など広範囲に広がりました。高温や乾燥に強いことから、雨量が少なく、作物を育てるには過酷な土地でも栽培できる貴重な穀物として重宝されてきました。
その後「ソルガムきび」は、栽培する地域の環境に適応した様々な品種が誕生しました。今やその品種の数は数千以上ともいわれ、「種子の大きさ」、「種子の色と胚乳の型」、「種子の味と香り」など多様です。
現在、アフリカでは「ソルガムきび」を、同じイネ科の作物のとうもろこしとパールミレット(クスクス)と同様の食べ方をしています。アフリカから「ソルガムきび」が伝播した他の国々では、それぞれの地域の食文化に根付いた様々な「ソルガムきび」の食べ方へと変容しています。
米国でのソルガムきび生産地
米国では世界の「ソルガムきび」生産量の約25%が生産されています。米国における主な生産地は、サウスダコタ州、ネブラスカ州、カンザス州、コロラド州、オクラホマ州、テキサス州などで、雨量の少ない地域を中心に栽培されています。
米国産のソルガムきびは、原種よりも背丈が低く、穂が大きく生育の早いタイプのもので、機械での収穫がしやすいのが特徴です。
ソルガムきびの特長
○食物繊維に富む
○不足しがちなミネラルが豊富
○料理やお菓子に幅広く活用
○環境にやさしい作物
○有色品種は抗酸化作用の研究が進んでいる
グルテンを含まないソルガムきびの食品利用
ソルガムきびはグルテンを含まないため、以下の疾患・症状の方でも召し上がることができます。
ソルガムきびの種類
今では世界に数千以上の品種があるといわれている「ソルガムきび」。その種類によってはシロップやほうき、飼料、バイオエタノール燃料などの原料としても使用されています。食用として使用する「ソルガムきび」は、「グレイン・ソルガム」といわれる種類になります。食用にするのはソルガムの穂に実る種子の部分です。食用の「グレイン・ソルガム」はこの穂の量が多いのが特徴です。
ソルガムきびは全体的に背が高く、2~3mほども高くなるものもある。米国のソルガムきびは収穫しやすいよう背が低い。
食用として用いる種子は、3mm程度の大きさ。トウモロコシの実より小さく、パールミレットよりやや大きいサイズ。
「ソルガムきび」という名称は、アメリカ穀物協会が、米国産の食品グレード・ソルガムの認知度向上のために考案しました。
従来の「ソルガム」に「きび」をつけて、日本古来食べられている雑穀「きび」のファミリーであることを広くアピールするためにネーミングしました。
米国でのソルガムきびの分類
ソルガムきびのブラック、ブラウン、紫、赤などの品種によって異なる色味にはソルガムきびの栄養素の一つ、タンニンによるものです。米国では、米国・連邦穀物検査局(FGIS)による穀物規格を設け、タンニンの含有量と色によって4種類に分類しています。
ソルガム
種皮に色のついていないホワイトソルガムきびの割合が98%以下、タンニン・ソルガムきびの割合が3%以下でタンニン含有率の低いもの。
タンニン・ソルガム
種皮に色のついたものが多く、無タンニンのソルガムきびが10%以下、タンニン含有量は多い。
ミックスソルガム
どの規格にも適合しないソルガムきび。