USフードトレンドとソルガムきびの可能性
視察ツアーでは、アメリカのフードトレンドを探るため、テキサス州にある自然派スーパーマーケット「Central Market」、「Whole Foods」、「Sprouts Farmers Market」の3店舗を訪問しました。どのスーパーマーケットもオーガニック食材を扱い、健康志向食品の品揃えが充実していました。
テキサス州の自然派スーパーマーケットを訪問
日本よりもグルテンフリーの食生活が浸透しているアメリカのスーパーマーケットでは、グルテンフリーコーナーが非常に充実しています。パンやシリアル、チップス、ビールなどソルガムきびが使われているグルテンフリー商品も多くありました。
アメリカでは、「Ancient Grain(古来穀物)」が「古くて新しい穀物」として人気です。その人気を裏付けるように、今回訪れたスーパーマーケットには「Ancient Grain」とパッケージに大きくデザインされたシリアルもありました。また、最近注目されている機能性の高いブラックソルガムきび「ONYX™ Sorghum®」を使ったシリアルがありました。「ONYX™ Sorghum®」は、ツアーが訪問したテキサスA&M大学で開発された品種です。
アメリカでは政府が2015-2020 Dietary Guidelines for Americans を発表し、1日食事に摂取する穀物の半分は全粒穀物にすることを推奨しています。これにより、アメリカでは全粒穀物(未精製の穀物)の人気が高まっていて、ソルガムきびも全粒穀物として注目を集めています。
どのスーパーマーケットも、穀物やナッツの量り売りコーナーが充実しています。ソルガムきびの産地であるテキサス州でのみ展開する「Central Market」では、ホワイトソルガムきび全粒粉の量り売りがありました。
「Sprouts Farmers Market」は、今回訪れたスーパーの中では、一番庶民的な雰囲気でした。農家から直接野菜を仕入れているため、セール時にはオーガニックの野菜や果物も安く手に入ります。ソルガムきびで醸造された地ビールも販売していました。
アメリカの自然派スーパーマーケットは、これまでは店舗が都市部に集中する傾向にありました。また、商品が高価格帯のため、消費者のターゲットが限られていたからです。しかし、昨今の健康志向の高まりから店舗数が全米で増加していることに加えて、2017年にアマゾンが「Whole Foods」を買収したことを背景に、消費者がインターネットを通じて、どこに住んでいても手頃な価格で商品を手にする機会が多くなりました。実際に、今回視察した3つのスーパーマーケットも競合関係からか、グルテンフリー商品の価格が突出して割高なお店はありませんでした。
視察ツアーでは、たびたび「持続可能性(sustainability)」という言葉を耳にしました。消費者が、健康志向だけでなく、地球環境を大切にする意識も強くなってきた現代社会において、自然の降雨量で育つ環境にやさしい穀物であるソルガムきびの持続可能性は、「未来の穀物」と期待されています。「未来の穀物」ソルガムきびは、消費者が受け入れやすい要素を多く備えていると言えるでしょう。
視察で訪問したスーパーマーケット
Central Market
Dallas Lovers Lane店
Dallas TX 75206
公式サイト:https://centralmarket.com/
Whole Foods
Uptown Dallas店
Dallas, TX 75201
公式サイト:https://www.wholefoodsmarket.com
Sprouts Farmers Market
Dallas – Henderson Ave.店
1800 N. Henderson Ave.
Dallas, TX 75206
公式サイト:https://www.sprouts.com/
※2019年9月現在