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難消化性の繊維がタイプ2の糖尿病に効果を発揮
ロイド ルー二ー博士(Dr. Lloyd Rooney)/テキサスA&M大学

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47年間ソルガムきびについて研究。ソルガムきび研究の世界的権威者。
以前は背が高く、実がなるまでに時間がかかったソルガムきびだが、背が低く、比較的短期間で実がなるハイブリッドソルガムきびをソルガム転換プログラムとして研究、開発をしてきた。また世界各地でソルガムきびの改良や普及に携わってきた。
この仕事を始めた当初はソルガムきびの家畜の飼料としての利用を目指していたので、飼料としての栄養価や効率を下げてしまうソルガムきびに含まれるタンニンを取り除くことを目的としていた。しかしタンニンは家畜の飼料としては適切ではなくても、難消化性の繊維を含むということでタイプ2の糖尿病に効果があるのではないかと考えた。

また食品として加工する際には色や抗酸化性ということから食用にはメリットがあると考えた。 ソルガムきびを全粒で使った場合には、ファイトケミカル(植物由来物質)と呼ばれるいろんな物質(栄養素)が入っているが、それは主に粒の外側にあるため、精白するとそれらの栄養素は失われてしまう。
また、ソルガムきびの外側には食物繊維やポリフェノールも含まれていており、他の穀物に比べ一般的に栄養価が高いと言える。
ソルガムきびは古くから使われている穀物であり、グルテンフリーのマーケットの中でもポジティブに見られているので、ソルガムきびの市場は今後も増えていくと思われる。
ソルガムきびは比較的安価な材料として使えるし、またいろんな加工、応用ができる。今後、タンニンを含んだ収量の多いソルガムきびも出てくると思うので、ソルガムきびはより良い食品を作るために役立っていくと思う。