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見直され始めているタンニンの効果
スコット ビーン博士(Dr. Scott Bean)/USDA-米国農務省の研究施設

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ソルガムきびはこの7~8年、小麦を食べられないセリアック病の人たちのための食品として小麦の代わりに使うということを考えている。米国ではソルガムきびは家畜の飼料として主に利用され、最近ではバイオ燃料として注目されているが、私たちは食品としてのソルガムきびに注目している。特にホワイトソルガムきびに注目していて、”ふすま”を除いた高品質の製品を使っている。栄養面ではSumacと呼ばれるタンニンが多い品種に含まれるフェノール化合物などが高い抗酸化性を示す物質に注目している。タンニンが多く含まれている品種には抗酸化物質が多く、ブルーベリーなどと同じレベルの抗酸化性を示している。ソルガムきび以外のフェノール化合物を含む食品循環器病や癌の予防に効果があると考えられる。ソルガムきびのひとつの大きな特徴はそのようなフェノール化合物を高いレベルで含んでいるということだ。米国ではほとんど全てのソルガムきびはタンニンを含まない品種と捉えられているが、私たちはタンニンがあるということが必ずしも好ましくないことだけではないと考えている。たんぱく質の消化がしにくいのも、必ずしもそれがよくないことではないし、それを逆に機能性食品の形として使っていくことができるのではないかと考えている。たとえばSumacのようなハイタンニンのような品種も、その点からは良いものではないかと考えている。
ソルガムきびに含まれているでんぷんやたんぱく質をどのように有効利用して、品質の良いものを作っていくか、またセリアック病の人に確実に供給していくことが今後の課題だ。