私は留学生として30年以上も前にこの国に来て、日本の伝統や文化が大好きになりました。もちろん現在もその素晴らしさに日々感動しています。とくに、発酵食品や雑穀などのバラエティが豊富な和食は、その美容と健康への効果を知るたびに今後も失われず受け継がれていって欲しいと思っています。伝統的な和食は、長寿やアンチエイジングだけでなく美容にも高い効果のあるレシピが豊富です。
そんな素晴らしい効果を期待できる和食なのに、日本の食はどんどん欧米化し不健康化しているので残念です。ニキビと肌荒れに悩む高校生だった私は、ホームステイ先の日本の家庭食でその悩みがすっかり解消してしまったのですから!
トーストにジュースやコーヒーといった朝食では日本女性特有の冷えも改善されません。流行りのスムージーも悪くはありませんが、寒い季節ならホッと全身をあたためてくれるソルガムきびをトッピングしたお味噌汁で一日のスタートを切りましょう。発酵食品でもある味噌は腸内環境を整えるのにも一役かってくれます。
最近、ソルガムきびについても、腸内フローラの改善効果があるのではないかという研究が進んでいます。和食はおなかにやさしい発酵食品が豊富なことでも知られる素晴らしい和食文化ですが、ソルガムきびの腸内フローラ改善の作用がわかれば、さらに和食とのいいコンビが組めるようになるのではないでしょうか。
お味噌汁は和食独特のミラクルスープで、さまざまな具材を自由に楽しめます。季節のお野菜はもちろん、グルテンフリーのソルガムきびを全粒で具としてトッピングすれば、そのプチプチした食感が味噌汁テーストをさらに深いものにしてくれます。
全粒のソルガムきびは、ほかの全粒穀物と違ってふすまの硬い食感や苦みなどの食べにくさがまったくありません。また、レジスタントスターチを含んでいるので腹持ちがよく、お味噌汁がワンランク上のグルテンフリーのお食事スープに早変わりします。今回は、抗酸化作用のあるアントシアニンの豊富な「畑のキャビア」-“ブラックソルガムきび”も混ぜて使ってみましょう。メインの具としては、海に囲まれた日本の環境を活かしてEPAやDHAなど必須脂肪酸が豊富なサーモンを使います。朝食の味噌汁としてアンチエイジングに有効な抗酸化作用のあるサーモンを使えば、おいしいあら汁のできあがり。サーモンの抗酸化物質、アスタキサンチンを朝一番に温かくとることができます。
さらに私はエキストラバージンオリーブオイルを数滴。意外かもしれませんが、肌にうるおいやツヤを与えるオメガ9脂肪酸とともに具材の旨みを引き出してくれるのです。オレンジ色のサーモンに、大根、人参、ごぼう、小松菜といったバラエティ豊かな野菜、そして健康に良いオイル、そこに抗酸化物質のアントシアニンが豊富でキャビアのような色合いのブラックソルガムきびをトッピングすれば・・・食物繊維と抗酸化作用に富んだ温かい具沢山あら汁のできあがりです。
鮭缶を使って手軽に調理できるレシピ。根菜やしょうがが体の芯まで温める具沢山でヘルシーなあら汁です。最後に茹でたソルガムきびを浮かし、オリーブオイルをまわしかけるのがエリカ風。