クローズアップインタビュー Vol.14 弘岡桂子氏(「ブランジュリ ロワゾ―・ブルー」オーナーシェフ) x Sorghum.jp

クローズアップインタビュー Vol.14 弘岡桂子氏(「ブランジュリ ロワゾ―・ブルー」オーナーシェフ) x Sorghum.jp
京都・北山にある「ブランジュリ ロワゾ―・ブルー」は、古代小麦のパンや、米国産ソルガムきびなど、こだわりの雑穀をブレンドしたグルテンフリー・ブレッドをヴィーガン対応で提供している日本でもめずらしいベーカリー。オーナーシェフの弘岡桂子氏に、欧米スタイルのグルテンフリー製パンのポイント、米国産ソルガムきびを使うメリットなどをお伺いしました。

普通小麦をやめて、古代小麦・グルテンフリー・雑穀専門のベーカリーになったきっかけ

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ブランジュリ ロワゾ―・ブルーさんは、古代小麦やグルテンフリー(以下GF)、雑穀パン専門店ですね。普通小麦を扱わなくなったのはなぜですか?

弘岡シェフ
当店の常連であるneoベジタリアン料理家のerico先生が「古代小麦の講習会をコラボでしませんか?」とお声掛け下さったのが最初の始まりです。
その後、GF・ヴィーガンカフェCHOICEのオーナーである鈴木形成外科の院長、鈴木先生がGFに関する書籍を紹介して下さったので本を読み情報収集して勉強しました。

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ロワゾ―・ブルーさんのパンは、全てヴィーガン対応でその上GFですよね。開発の過程で苦労した点はありますか?

弘岡シェフ
ヴィーガン対応のGFのパンの開発は、最初から苦労の連続でした。今もずっと改良中で、先が見えないエンドレスなもので、私のライフワークになっています。

欧米スタイルのグルテンフリー・ブレッドに欠かせない食材「米国産ソルガムきび全粒粉」

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弘岡さんのお店では、古代小麦のパン以外のほとんどのパンに米国産ソルガムきびをブレンドして使っていただいていますね。そのきっかけを教えてください。また、パンに米国産ソルガムきび粉を配合するメリットはどんなところでしょう?

クローズアップインタビュー Vol.14 弘岡桂子氏(「ブランジュリ ロワゾ―・ブルー」オーナーシェフ) x Sorghum.jp弘岡シェフ
独立前に雑穀を使ってパンを作りたいと思い、日本雑穀協会の雑穀エキスパート講座を受講し、資格を取った際にソルガムきびの存在を知りました。ソルガムきび全粒粉を使っていますが、ソルガムきびの粉は普通小麦に一番近く、食物繊維や鉄分などのミネラルなどを含んで栄養価に優れている点、全粒粉でも味にクセがなく他の素材を引き立てること、古くて新しい穀物というのがまたユニークだと思います。
当店ではソルガムきび粉は、生地への配合はもちろん、パンの種起こしにも活躍してくれています。

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弘岡さんが大切にするGFブレッドの「美味しさのポイント」を教えてください。

弘岡シェフ
一般的にGFのパンはいまひとつ、とよく言われますが、私にとってGFブレッドの美味しさのポイントは、素材の選定から製造に関わる全ての過程にあると思います。原材料ひとつをとっても、産地によっても味が大きく変わります。素材一つひとつの特徴を知り、仕上がりをどういう食感・食味にしたいかなど考えての素材選びは必須です。
さらに発酵温度や時間、成型方法や焼成方法、やはりどれも美味しさの大切なポイントとなるので、私の場合はGFブレッドを作るすべての過程が重要なポイントです(笑)。

小麦不使用なのに、数日たってもやわらかいパンのヒミツは?

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米国産ソルガムきびを使ったパンで、人気の高いパンや、弘岡さんオススメのパンを教えてください。

弘岡シェフ
「GFサワードウ・ブレッド」です。材料にこだわっていて、オーガニックや全粒穀物でお作りしていますので、栄養価も高く人気のおススメのパンです。材料の粉も挽きたてを冷蔵発送してもらった有機無農薬そば粉や、有機キヌア、GFオーツ麦なども自家製粉の挽きたてを使用しています。幻の雑穀シコクビエや原種に近い玄米を発芽玄米にしたり、ソルガムきび全粒粉のほか、貴重な発芽ソルガムきび全粒粉を使ったり、有機コーンミールを合わせたり、その都度ブレンド変えフィリングと合わせています。
酵母も自家製のフレッシュなサワー種のみ使用していますが、日本人好みに酸味を抑えマイルドに仕上げています。風味も格別でトーストすればより一層美味しくお召し上がりいただけます。見た目も普通小麦とあまり変わらないと思います。
食文化の違いからですが、ハード系のパンは海外からのお客様に特に喜ばれていますね。

パン作りは「ブレンドありき」
ソルガムきび粉をブレンドすると、より小麦に近いパンに

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弘岡さんから見た最近のGF製パンのトレンドなどがあれば教えてください。

弘岡シェフ
GF製パンでは、最近米粉ブームで美味しい米粉パンの開発も急速に進んでいます。そんな中、もっちりした普通の米粉パンでなく、小麦を使わずにさらっとした欧米スタイルの食感のGFブレッドを作るということを考えると、やはりソルガムきびは製パンや製菓にブレンドする価値のあるGF食材のひとつであり、小麦に近い食感や味を出すのに欠かせない粉だと思います。パン作りは、粉のブレンドが食感の決め手となります。よいパンを作るためには、まず「粉のブレンドありき」なのです。小麦にしても、1種類の小麦だけを使って焼いているパンより、複数の粉をブレンドすると、その相乗効果で食感や風味が劇的に向上します。
GFブレッドを作る場合も、米粉100%にとらわれず、自分の作りたい味をイメージしながらソルガムきび粉、雑穀粉など、複数の粉をブレンドしてこそ美味しくなります。一種類だけの粉では味が単体になりますが、複数だと味に奥行きが出て深みが出ます。日本でも粉のブレンドが今後のGFブレッドの重要なトレンドになってくると思います。

Sorghum.jp
GF先進国である欧米では、GFのパン作りには複数の粉をブレンドすることが重要であると広く認識され、実際そのように普及して劇的に美味しくなっていますよ。日本でも弘岡さんのように、ソルガムきびなど色々な粉をブレンドして欧米スタイルの美味しいGFブレッドが普及することを願っています。

弘岡シェフ
7月からは、当店のパンがオンラインで購入できるようになりました。ぜひご利用ください。

Sorghum.jp
本日は、GFブレッド作りに関する貴重なお話をありがとうございました。

取材を終えて

京都に来るときはロワゾ―・ブルーさんの美味しいパンを買うのを楽しみにしています。グルテンフリーなのに数日たっても固くならず、ふわふわなのでびっくりします。

弘岡さんは、小麦アレルギーを持つお子さんのお母様から何度もお礼を言われたり、GFブレッドを購入されたお客様から後日感謝のお手紙をいただいたりすることもあるそうです。また、最近は海外からのお客様も多く訪れるそうで、特にセリアック病の方は日本に観光で来られた時に食事に苦労するため、「日本で貴重なベーカリーだから頑張って!」と励まされるとのこと。

Sorghum.jpでは、ご家庭でもロワゾ―・ブルーさんの美味しいGFブレッドを再現できるレシピをご紹介しています。

→ロワゾ―・ブルーさんのGFブレッド レシピはこちら

(インタビュアー:Sorghum.jp 星澤)

PROFILE

弘岡 桂子プロフィール

ブランジュリ ロワゾ―・ブルー オーナーシェフ 弘岡桂子 氏グルテンフリー、古代小麦(スペルト、カムート、アインコーン)ミレット(雑穀)のパン専門店「Boulangerie L’oiseau bleu(ブランジュリ ロワゾー・ブルー)」店主。製菓衛生士。雑穀エキスパート。

厳選した材料や雑穀を使用しホールフードでお作りすることを心がけ、無添加にこだわり身体に優しいパンを追及している。パンのフィリングはすべて自家製。卵、バター、乳製品、動物性の材料は使わず、植物性のみの身体に優しいヴィーガン仕様のパンを提供。

 

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