クローズアップインタビュー Vol.12 林 礼子氏(野菜バル「ふぉこらーれ」オーナーシェフ) × Sorghum.jp

クローズアップインタビュー Vol.12 林 礼子氏(野菜バル「ふぉこらーれ」オーナーシェフ) × Sorghum.jp
野菜バル「ふぉこらーれ」は、小麦アレルギーやグルテン不耐性の方の「あれがもう一度食べたい」という声に寄り添ったグルテンフリーメニューをご提供しています。米国産ソルガムきび粉を中心に6種類の粉を独自の配合で開発した「ふわふわグルテンフリーパン」は、100%グルテンフリーでありながら、小麦のパンのような「カリッとふわふわ、軽い食感」を実現。今回は、「ふぉこらーれ」オーナーシェフの林礼子氏にお話を伺いました。

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野菜バル「ふぉこらーれ」では、どのような経緯でグルテンフリーのメニューを提供するようになりましたか?

旬野菜スペインバル「ふぉこらーれ」林さん
2014年12月のオープン以来、野菜はなるべく国産のものを使うことを念頭に、ソースやドレッシングなども市販のものではなく自家製のものにこだわって、自分が納得できるものを提供してきました。

グルテンフリーメニューを提供するきっかけとなったのは、2017年3月に一人の女性との出会いがあったからです。彼女は、グルテン不耐性で、さらに白砂糖アレルギーのため、友人とレストランで外食をしたくても予約時に提供できるメニューがないという理由で断られてしまうことが多く困っていました。彼女の話を聞いていくうちに「もしかすると私のお店で対応できるのでは!?」「彼女が食べられる料理を開発しなければ!」と職人魂に火がつき、グルテンフリーのメニュー開発を進めました。

旬野菜スペインバル「ふぉこらーれ」そして、2017年5月より野菜を楽しめるという基本コンセプトはそのままに、グルテンフリー対応、かつ、白砂糖不使用という新たなコンセプトを加えて、グルテンフリーメニューの提供をはじめました。もともと野菜中心でグルテンフリーに近いメニュー構成だったので、グルテンフリーにスイッチするのは、思ったよりも大変ではありませんでした。

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ソルガムきびを使ったメニューは何がありますか?

林さん
研究を重ねて完成した「ふわふわグルテンフリーパン」が3種類(ホワイトパン、ココアパン、スパイシー黒胡椒チーズパン)あります。その他に、旬野菜のフリットミストを提供しています。フリットミストは、衣にソルガムきび粉を使っています。冷めても衣がサクサクして美味しく召し上がれますよ。お客様からは、揚げ物なのに翌日お腹がもたれないと評判です。

ホワイトパン

グルテンフリーパン(ココアパン)

ココアパン

黒胡椒チーズパン

黒胡椒チーズパン

旬野菜のフリットミスト

旬野菜のフリットミスト

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ソルガムきびを使ったグルテンフリーパン開発のきっかけを教えてください。

林さん
日本でグルテンフリーパンといえば、もっちりした米粉100%のパンが多いですよね。でも、私はより小麦に近いふわふわのパンを作りたかったんです。そこで色々なグルテンフリーの粉で試したのですが、なかなかうまくいきませんでした。そんな時に、たまたま中野産業のホームページで「小麦に一番近い第4の穀物・ホワイトソルガム」を見つけて、興味を持ちました。早速、取り寄せて使ってみたところ、今までに試したグルテンフリーの粉とは全く違うことを実感しました。すぐにソルガムきび粉をメインの配合としたパンを研究し始めました。

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グルテンフリーパンにソルガムきび粉を配合するメリットは何ですか?

旬野菜スペインバル「ふぉこらーれ」林さん
まず、ソルガムきび粉はくせがないので、より小麦のパンに近い香りが楽しめます。米粉100%のパンは、独特の米の香りや味に加えて、食感がもちもちするので、パンではなくご飯の味に近くなってしまう気がします。もちろんそれぞれ好みはあると思いますが、私は「より普通のパンらしいパン」、つまり「小麦に近いふわふわのパン」を作りたかったんです。試作を重ねて、最終的にソルガムきび粉を約40%配合することによって、ふわふわとした食感と軽やかな質感が味わえるグルテンフリーパンが実現できました。
また、米粉100%のパンは、冷めると固くなってしまいますが、ソルガムきび粉を使ったパンだと、冷めても軽やかな質感を保持できますし、冷蔵庫で保存しても柔らかさが保てるんですよ。正直、ソルガムきびはスゴイ!と思いました。

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お客様の反応はいかがですか?

林さん
当店のグルテンフリーパンは、「提供するお料理に合うパン」というのが大前提です。例えば、うちのアヒージョにはホワイトパンが合うんです。また、肉料理にはスパイシー黒胡椒パンがよく合います。もちろんワインにも!それぞれのパンの特性をいかして、お料理と一緒にオススメしています。
目指したのは、アレルギーじゃない人にとっても美味しいパンだったので、お客様から「むしろ普通のパンより美味しい!」と評価していただいているのは、とっても励みになりますね!
今年からグルテンフリーパンを日本全国へ発送できる通販もスタートしました。今後、もっと多くの方に「ふわふわグルテンフリーパン」をお届けできたらと思っています。

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私も3種類のグルテンフリーパンを試食させていただきましたが、どれもパンそのものが美味しくて感動しました!本日はどうもありがとうございました。

取材を終えて

店名の「ふぉこらーれ(focolare)」は、イタリア語で暖炉の意。暖炉の周りで暖をとりながら、家族や仲間でゆっくり食事を楽しむというニュアンスが含まれているそうです。その店名の通り、アレルギーの有無は関係なく、気の合う仲間同士、同じテーブルで同じ料理を楽しめるのはHappyなことですね。
ソルガムきびを使った料理に大きな可能性を感じている林さん。ソルガムきび粒にも興味津々だったので、ぜひソルガムきびを活用して、新たなグルテンフリーメニューをご提供いただきたいと思います。

※提供されるグルテンフリーパンは日によって変わります。
(インタビュアー:Sorghum.jp 星澤)

PROFILE

林 礼子氏 プロフィール

林 礼子氏「野菜バル ふぉこらーれ」オーナーシェフ。

祐天寺で3年半、スペイン家庭料理「ふぉこらーれ」を営業。家族の事情により、クローズ。今度お店をするときには、大好きなイタリアンも提供したいという想いを胸に、東京・港区三田「トラットリア セレーナ」志村シェフに師事。「セレーナ」での美味しい野菜との出会いから、2014年12月世田谷区世田谷に「野菜バル ふぉこらーれ」をオープン。2017年3月、大人になって小麦アレルギーと白砂糖アレルギーを発症した女性との出会いをきっかけに「飲食店としての食の在り方」を改めて考え、店内の料理全てをグルテンフリー・白砂糖不使用に変更することを決意。2017年5月、グルテンフリーレストランとして、新たな道をスタートさせた。

野菜バル ふぉこらーれ

営業時間 18:30~24:00
電話番号 03-6413-6363
住所 〒54-0017 東京都世田谷区世田谷1-16-24 榎本ビル1F
(東急世田谷線「世田谷駅」徒歩3分)⇒googlemapはこちら
店舗ホームページ ・旬野菜スペインバル「ふぉこらーれ」

旬野菜スペインバル「ふぉこらーれ」